FRP(ガラス繊維強化プラスチック)の荒々しい繊維が浮き出し、座面の縁には長い歳月を物語る無数の擦れや欠けが刻み込まれている。この「イームズ アームシェルチェア 1st」が纏うダメージは、決してネガティブな劣化などではなく、半世紀以上の歴史を生き抜いてきた証そのものです。真新しいレプリカや傷ひとつない完品には到底醸し出せない、圧倒的な凄みと退廃的な色気がこの一脚には宿っています。
使い込まれたヴィンテージのデニムや、時代を経て独自の風格を増した名建築が持つ、あの特有の説得力と同じです。無数の傷は、この椅子がただの展示品ではなく、誰かの日常の道具として徹底的に使い倒されてきた誇り高き勲章に他なりません。
机に向かい、古い名作映画の構成を紐解きながら自身の新たな映像コンテンツのアイデアを練り上げる、熱量が高く泥臭い時間。あるいは、集めてきた年代物のファブリックの質感を指先で確かめる無造作な瞬間。不完全でハードなこの椅子に深く身体を預けると、初期モデルならではのFRP特有の適度な硬さとしなりが、クリエイティブな思考をどっしりと受け止めてくれます。傷を隠すのではなく、その経年変化の美しさに共鳴する人のための、世界に二つとないパーソナルな特等席です。
くつろげる低座面(ラウンジスタイル)"ローワイヤーベース" 当時の型番から「Lounge Armchair Rod base 」とも呼ばれます。 座面の高さが約31.5cmと非常に低く、前脚が長いため座面に傾斜がつき、足を伸ばしてゆったりと座れるのが特徴です。 一人掛けのローソファのような感覚で使え、日本の床座文化やローテーブルとも相性が良いデザインです。
"ハーマンミラー"
1923年にアメリカで創業したハーマンミラーは、チャールズ&レイ・イームズらを迎え入れ、20世紀のモダンデザインを牽引した家具メーカーです。彼らのモノづくりの根底にあるのは、人々の生活課題を解決するための実用的なアプローチでした。 今回ご紹介した1stモデルのアームシェルチェアも、当時の最先端であったFRP素材を用い、大量生産と身体に沿う快適な座り心地を両立させた革命的なプロダクトです。 半世紀以上の時を経てこれほどの激しいダメージを負いながらも、椅子の構造としての機能を全く失わず、ヴィンテージとしての新たな美しさを獲得しているという事実そのものが、ハーマンミラーが掲げる「時代を超えるデザイン」と確かな耐久性を何よりも雄弁に物語っています。
D e t a i l
[ size ] W : 625 / D : 700 / H : 590 / SH: 315(mm/約)
[ material ] レザー
[ color ] ベージュ
[ condition ] 全体的に、使用感や傷が見受けられます。 これぞヴィンテージと言えるかもしれません。
[ 配送方法 ] アート家財おまかせ便Bランク、もしくは自社配送Bランクでの配送を予定しております。
[ 店舗で受け取る ] 烏山店店頭でお受け取りいただけます。送料は無料となります。