蹄の様な弧を描くアームが印象的な和製アンティークチェア。
硬質な広葉樹に見られる美しい杢目や、左脚の内側に施された「軽井沢大正十五年夏」の一筆、多用される彫刻より、初期の軽井沢彫家具と推測されます。
今年10月に修繕を終え再会館を迎える軽井沢の重要文化財「旧三笠ホテル」にも納入されている「馬蹄チェア」と類似したフォルムであり、同種の彫刻も見受けられます。
しかしながら最大の個性は、彫刻のメインモチーフが「雷紋」である点。和の趣の中に西洋・東洋の異国情緒も加わり、唯一無二のオーラが漂います。
和、シノワズリ、アジアンテイストは勿論の事、バレルチェアに見立ててモダン空間へ取り入れてみるのも一興かと思います。
またと出会えない稀有な逸品に心惹かれた方はくれぐれも、お早めのご検討を。
※当店にて、経年による各所の歪みに対し楔と釘を施しましたが、多少のグラつきが残ります。
"軽井沢彫"
1880年代、自然豊かな"避暑地・軽井沢"が英国の宣教師や外交官の目に留まり、別荘地として注目を浴びます。
別荘が増えるにつれ家具の需要も高まり、日本の文化に触れた当時の欧米人達が好んだ木彫り家具を、江戸時代初期より続く伝統工芸"日光彫"の職人達が軽井沢に趣き製造した事が始まりとされています。
西洋の家具様式に日本古来の技法を加えた、独特な情緒を纏う名品達は、別荘家具を経て世界的に評価される伝統工芸品として確固たる地位を確立しました。
彫刻における初期の文様は日光彫に習い、松竹梅、牡丹、菖蒲、菊など伝統を重んじた題材が中心でしたが、欧米人の要望を受け葡萄や桜など軽井沢彫独自の文様も誕生しました。
その後は桜文が主流となり、全面に施されていた彫刻も要所の強調に用いられるなど、時代と共に変遷を辿りながら伝承され今日の姿に至りました。
[Size]
W : 670 / D : 470 / H : 672 / SH : 390 mm
[Condition] 使用に問題のあるダメージはありませんが、傷・汚れ・打痕・グラつきなど、各所に使用感が見受けられます。
[Material] 栃(推測)
[配送方法] アート家財おまかせ便Bランクもしくは、自社配送Bランクでの配送を予定しております。
[店舗で受け取る] 烏山店店頭でお受け取りいただけます。送料は無料となります。